これらの疑問について、以下のページでお答えしていきます。改めて、ここで自己紹介をさせて下さい。私は国際ハーブボール協会・日本橋マザーハーブボールSPA代表の宗 冨美江と申します。

私達は夫婦で活動をしており、ハーブボールというSPAの本場、タイのバンコクでサロンをスタートさせました。

私達が運営していたのはホリスティックサロンです。簡単に言えば、お客様の美しさと健康を姿勢やヨガ、食、ハーブボールなど様々な手法を駆使して応援する場所です。

タイのサロンでは庭でハーブを自ら育て、調合を研究開発しながらお客様に喜ばれるハーブボールを作って来ました。

私達のサロンの名物は生のハーブボール。ハーブボール作り専門のスタッフたちと共に、毎日、クライアントさんのためにご用意していました。クライアント様それぞれのお悩みに合わせた最適な調合、そして最適な使い方を提案したのです。はっきり言って、このようなことを行うサロンは世界でも稀にみるもので、もちろん、現地でも他に類を見ませんでした。

おかげさまで沢山のクライアントさん、生徒さんに恵まれ、サロンは大盛況。世界の様々なメディアにも紹介され、世界からクライアント様を迎えて来ました。

私達のサロンのオリジナルメソッドである姿勢美法やハーブヨガについては日本でも書籍を出版させていただいてきました。ちなみにハーブボールのレシピや作り方を公開したのは、このハーブヨガの書籍が日本で初めてのものであると自負しています。

しかし、これだけでは満足しません。もっともっとハーブボールって面白くて、奥深いんだよってことを伝えたい!

そのためにはどうすればいいだろうか?そこで2016年には世界で初めてのハーブボールについての専門書籍を出版するためのクラウドファンディングを立ち上げ、たくさんの方にご支持をいただきプロジェクトが成功に至りました。

ご援助いただいた資金を通じて、2017年には「ハーブボールSPAセラピー」を出版成功させました。

こちらの書籍はこれまで理論的な裏付けのなかったハーブボールを東洋の身体観の視点から整理し、たくさんの読者に恵まれています。

また、2018年からはYoutubeにてハーブボールの様々な使用法について発信しています。2018年からは完全国産を目指し、日本橋マザーハーブボール工房を立ち上げ、日本中のサロンにハーブボールをお届けしています。

このページはハーブボール工房の主任である宗冨美江(むね ふみえ)からのメッセージです。

日本をハーブボールでSPA大国に変えようと思ってきたけど

ここまで聞くと、「あぁ、順風満帆なんですねー」なんて思われるかもしれません。いいえ、はっきり言って国産のハーブボールづくりへの挑戦は壁の連続でした。思ってもみない地獄の連続でした。険悪なムードに夫婦喧嘩も頻発しました。それでも私達夫婦には夢があるんです。

その夢を諦めるぐらいなら死んだほうがマシなんです。

せっかくハーブボールというご縁であなた様とつながったのですから、私達のハーブボールを紹介する前に私達とハーブボールとの歩みについてお話させて下さい。

私達には夢があります。

それは日本を世界一のSPA大国に変えること。そのカギとなるのが日本の知恵と自然が詰まったハーブボールなんだと確信しているんです。

日本には温泉文化や素晴らしい自然療法が存在しています。しかし、それをハーブボールという形で体験できるサロンはほとんどない…。

そんな現状に嘆いて来ました。そこで2011年の震災後、私達は日本をハーブボールで元気にすることを誓い、活動の拠点をタイから日本へと移しました。

日本でもタイと同じように国産手作りの品質の高いハーブボールを作ればどんどん広まるぞ~!私達はそう呑気に夢想し期待で胸を膨らませていたのです

このときはまだその夢がとんでもなく高い壁に覆われているものだとは知るよしもありませんでした。

日本のハーブボール事情に愕然

タイから帰ってきた私達は愕然としました。日本ではハーブボールはほとんど知られていないばかりか、一般的に普及しているハーブボールの質の低いこと低いこと。

タイではバラマキみやげ用として売られているレベルのものしか普及していないのです。あるいは、タイの格安の場末のタイマッサージ屋さんで使われているレベルのものです。

こういった場末のハーブボールは保存しやすいことが第一に求められています。ですので、そのレシピは防虫効果のある樟脳たっぷりのもの。

これではハーブボールとは名ばかりの防虫剤を体に押し当てているようなものです。日本にタイのハーブボールを輸入しようとなれば虫対策は必須です。そのため、とにかく保存重視の品質の低いハーブボールしか日本では手にいれられないのです。

しかし、これってどうなの?と私達は思うのです。タイやインド、スリランカが本場とはいえ、ハーブボールの品質にはピンからキリまであります。その一番低いものをスタンダードだと思うのは非常にもったいない。

そして、ハーブボールの使い方もまたおかしい。それはハーブボールの使い回しです。一つのハーブボールを複数のお客様で使い回すスタイルです。タイの場末のタイマッサージ屋さんではハーブボールの使い回しがまかり通っています。

ですので、日本でも何の疑問もなくこのスタイルを踏襲されているのだと思います。しかし、現地の一流SPAではハーブボールの使い回しは厳禁です。

それはなぜかというと生のハーブボールであることが前提だからです。他のお客様とハーブボールを共有することなんてありえない話ですよね。それなのに日本ではそれが当然のこととして広まっているし、使い回し用のハーブボールしかない。

私達は頭を抱え、ウンウン唸りました。「なんて、途方もないことに挑戦してしまったんだろう・・・!」一時はタイのサロンの生ハーブボールをそのまま日本に輸入することも考えました。

しかし、すぐに無理と判明。あまりにも多くの関税や生の植物を輸入するための様々な手続きが必要になるんです。そのためには、レトルトパウチに入れるとか防腐処理をする必要も出てくるでしょう。当然、タイで体験するものとは価格も質も全く異なったものになってしまいます。

何より、タイやインドのレシピがどの地域でも万能だとも考えていません。少なくとも熱帯気候のタイやインドのレシピと温帯気候の日本とではレシピが変わるべきです。また、私達は日本の自然療法の可能性を信じており、日本のハーブの可能性を信じてもいます。

日本のハーブでだって素晴らしいハーブボールができるんだ!と示したかったのです。

写真:日本の自然療法の代表的ハーブである枇杷の葉

日本でのハーブボール開発挑戦という地獄の始まり

私達が長年かけて研究開発してきたタイの生ハーブで調合されたハーブボールを越えるにはどうすればいいのか?人肌のように柔らかく香り高く潤いに溢れて、当てると、ギューンと細胞の奥深くに熱が響いていく感覚。

果たして日本でこんな感覚をもたらせるハーブボールを作り出すことができるのか?自分たちならできらぁ!威勢よく飛び込んでみたものの、自分たちの無謀さにすぐに気づく羽目になります。

一つには、文字通りゼロから立ち上げるため、すべてが手探りからのスタートだったからです。

日本でのハーブボール開発販売がこれほどまでに戦いの連続と知っていたなら、挑戦していたろうか?と今では感じるほどの長い道のりを歩いて来ました。同じことをやりたい人がいるなら、間違いなく止めます。

日本ではタイと違ってハーブボール作りという伝統的な手法を学べる学校があるわけではありません。ましてやハーブボール用とラベルを付けて売られている素材があるはずもありません。

日本で手に入る素材でゼロからレシピを開発しなければいけません。さらには仲間内だけで使うのではなく、沢山のサロン様にお使いいただくことが目標です。

そのためには突然の生産停止なんてことはもってのほかです。きっちりと採算がとれる予算で持続できなければいけません。そんなわけでするべきことが雪崩のように降ってきたのです。以下には私達がくぐり抜けてきた地獄についてこっそりお話させて下さい。

地獄の1丁目 レシピ開発:気が遠くなるほどの組み合わせのレシピを作っては破棄する

「なんじゃこりゃあ!?」今だってハーブボールを作りながら叫ぶこともしばしばです。ある日、とんでもなく変なものができあがりびっくり仰天。私達は日本の自然療法を独学で学び、タイの文部省認定の代替療法の学校でハーブボール療法について学びました。さらに、インドやスリランカ、バリ、ミャンマー、ラオス、中華圏などを行き来しながらハーブについて独自の研究を続けてきました。

日本に帰ってきて以降は、東京日本橋馬喰町の協会ビルの屋上でもハーブガーデンを作り、研究しながら開発していくスタイルを継続してきました。ヨモギ・枇杷・ゆず・みかん・柿・ザクロなど日本の里山を再現した果樹をオーガニックで育てています。少量ずつではありますが、収穫できたハーブを使ってハーブボール作りを行ってきました。

ハーブの世界は奥深いものです。ハーブボールは数種類のハーブのバランスで成り立っています。 無闇やたらに「効く」と言われているハーブを入れたからと言って効能を引き出せるわけではありません。ハーブの成分同士が殺し合うこともあります。すごいハーブを手に入れられても分量が少なすぎれば香りが死んでしまい、多すぎれば主張しすぎてしまいます。

「これじゃ香りがインチキ臭い!」「これじゃ香りが薄すぎる」「これは肌触りがゴツゴツしてる!」毎日のように一喜一憂してレシピを組み立てていきます。ある時、ハーブボールを使ってくださったサロンオーナー様がご連絡くださりました。

「この間の蕎麦のハーブボールは、すぐに固くなってしまったんですけど大丈夫でしょうか?」背中にじっとり冷や汗をかきました。レシピによってはやはり、劣化しやすいもの、ハーブボールにするのに向かいないものがあります。試行錯誤を経てドンドン淘汰されていきました。余談:この時の蕎麦のハーブボールはすぐに淘汰されました。

地獄の2丁目 オーガニック農家がいない!?

いくらレシピが決まってもそれを安定的に供給できなければ意味がありません。屋上の菜園だけでは安定供給とは程遠いものです。私達の夢である日本中にハーブボールを広げるためには、自分たちだけでハーブをまかなうには限界があるんです。安定供給するにはどうしたらいいの?そこで、ベースとなるハーブを作ってくれる信頼できる農家を探し続けていました。

「やはりオーガニックで作っている農家さんのものを使いたい」自分たちのこだわりとして課した条件、それはハーブボールを構成する90%以上はオーガニック素材であること。オーガニックとは化学肥料も農薬も使わない農法です。日本でも大分、普及してきたので、当初、そのこだわりは難しくないと思っていました。

しかし、これで採算ベースに乗せるのはすごく大変でした。というのも、オーガニックで作っていたとしても、私達のこだわりの品質を提供してくれる農家さんを見つけるまでにかなり時間がかかったからです。オーガニックの素材であっても潤いに溢れた肌触りの心地よいハーブボールを作るには、潤いに溢れた香り高いハーブであることが必要だったのです。過度に乾燥した状態で届いたり、香りが薄いものはどんどん弾きました。

「今度の農家さんは期待できるんじゃないか…!」ワクワクして届くのを待ってみると、やはりガッカリ…という結果になることもしばしばでした。こだわりによって自らの首をさらにキツく締める羽目になったわけで、甘い夢を見ていた昔の自分たちを殴りたいぐらいです。

そこから、ようやくこれは!という農家さんのハーブに次々に出会ってきました。素材の輝き、香り、衛生状態、仕事に対する姿勢、どれをとっても期待を上回る出会いがようやく開けて来たのです。

地獄の3丁目 害虫との戦い

「ギョエエエーーー!!!」工房ではまたも奇声が上がります。「今度はなんだ!?」夫の健太郎が駆け寄ります。みると、あるハーブ素材に虫が発生していたのです。愕然としました。ハーブボールの素材は100%天然素材です。しかも90%はオーガニック素材使うことを私達は課しています。

そして、お客様の手元に届くまで一切の加熱処理や防腐剤処理などを行わないことも条件です。生の状態にこだわるのは、素材に存在する酵素や菌を生きたままお届けするためです。すると、虫や腐敗との戦いを避けるわけには行きませんでした。虫が発生したハーブを廃棄する時の悔しさと言ったらありません。どうしたら薬剤処理や加熱処理を避けて虫を近づかせないようにするか?そこにたどり着くまでに相当の戦いを要しました。

地獄の4丁目 保管管理死闘篇

「えええー、なんでーー!こんなにもったいない、もったいないよーー!」再び奇声が上がります。ある時、棚にあるハーブの素材が全て変色していることに気付いたんです。数キロ分の素材が目の前でパーになってしまいました。パーですよ、パー。ぜんぶ、おじゃんってことです。探偵のように犯人探しをしていくと、部屋の温度、太陽光が原因だと判明。気温や光の加減も自然素材を劣化させないための条件であることに気づきました。今思えば、初歩的なミスなんですが、当時はものすごくこたえました。

「はあー、やっぱり自然素材を相手にした仕事なんて手を出すべきではなかったか…」そう自信をなくすこともしばしばでした。保管する際にも、パッケージによってはハーブの成分を劣化させてしまうんです。密封性・湿度・気温・日射条件…。手を変え、品を変え、工夫しました。一口にオーガニック、一口に自然素材といってもそれをお客様の手元に美しい状態で届けるのは大変なことだ。それまでは自分のサロンのお客様のみの分を管理すればよかったので上手く行っていたのです。しかし、日本中に流通しようという意識で作る側になってようやくその夢のハードルの高さに気づき始めました。

光明が見え始める サロンオーナー様たちとの運命の出会い

「このハーブボールで行こう!」「これならきっと沢山のサロンに満足してもらえるぞ」自然素材100%で90%以上をオーガニック素材で、さらにこだわり抜いたオーガニック農家さんの素材とこだわり抜いたレシピで作るハーブボール。

これが私達のハーブボールです。すべて国産手作りの加熱処理・防腐加工をしていない生のハーブボール。それでもすぐに消費期限がきたら広まるものも広まりません。サロンオーナーさんたちが円滑にサロンワークを行えるように、パッケージやレシピを工夫して半年間、保存できるようにしました。

そして、これを志のあるサロンオーナー様たちにお使いいただけるようになったのですが、最初はもう怖かったですね。

自分たち自身で品質は確認しているとはいえ、「本当に喜んでいただけているだろうか?」「こだわりが伝わっているだろうか?」などと疑心暗鬼が芽生えていました。

しかし、ある日のこと、私達のハーブボール作りにこだわってきたことが全て報われる運命の出会いがありました。東京都豊島区大塚にある魅と美サロンオーナーの額賀史子さんからこんな声を頂いたんです。

史子さん「このハーブボールはすごいですね!これまでも別のところから仕入れたハーブボールのメニューをやっていたのですが、全くというほど売れないメニューだったんですよ。それが、お宅のハーブボールにした途端、お客様が次から次へとこのハーブボールのメニューに乗り換えていくんです!今では全員、ハーブボールのメニューをお選びいただくようになりました。」

私達「え、ええ!!!本当ですか!?」これを聞いたときは、ポカーンとしてしまいました。そして、ワナワナと足元が震えてきました。

「今まで七転八倒してきたころは決して無意味じゃなかったんだ!」やっと、自分たちの中に光明が見え始めたのです。額賀史子さんについては以下のサロンインタビューをご覧ください!面白いですよ〜。

その後、千葉県流山市のおおたかの森助産院の山本先生にもご賛同をいただき、産後ママのケアのためにも導入したいとお声がけを頂きました。

その後も、お使い頂いているサロン様からお声をいただけるようになりました。「このハーブボールだと全然違います」「これこれ!わたしが求めていたのは、こんなハーブボールだわ」今では日本全国のサロン様、個人様からハーブボールをお求めいただいています。